親知らずが引き起こす智歯周囲炎(ちししゅういえん)
こんにちは。院長の石山です。
以前のブログの続きで智歯周囲炎(ちししゅういえん)について書こうと思いながらだいぶ日が空いてしまいました。
ということで、今日は親知らずが引き起こす智歯周囲炎についてお話し致します。
前もお話しました通り、親知らずは一番奥にあり部分的に歯ぐきに覆われていることも多いため、歯ブラシが届きにくく不衛生になりやすい歯です。
歯みがきがうまく出来ず不衛生な状態が続くと、親知らずの周りの歯ぐきなどに炎症が起き痛みや腫れを引き起こします。
これを智歯周囲炎(ちししゅういえん)といいます。
智歯周囲炎がひどくなると、顔が腫れる、あごやのどが痛い、口が開きにくくなるなどの症状が出る場合もあります。
そのため症状によっては抗菌薬や痛み止めを処方する場合もあります。
こういった症状を何度も繰り返す場合は抜歯を検討しますが、親知らずの周りに強い炎症がある時は麻酔が効きにくかったり、出血量が多くなるため抜歯を避けます。
ですので智歯周囲炎になってしまった時はまず親知らずの周りを清潔に保ち、身体を休めることが大切です。
これは智歯周囲炎の予防のためにも大切です。
<具体的な対処法>
・歯みがき
親知らずに限ったことではありませんが、お口の中を清潔に保つにはやはり歯みがきが欠かせません。
親知らずは一番奥にあって歯ブラシが届きにくいので、上手なみがき方のポイントをお伝えします。
歯ブラシを奥まで入れようとお口を大きく開けると、頬が邪魔になってかえって歯ブラシが入りにくくなります。
お口は半開き程度に小さく開けて、斜め横から歯ブラシを入れるようにしてみがきましょう。
ワンタフトブラシという先の細い歯ブラシを使うことも有効です。
どちらを使う場合でも、智歯周囲炎によって痛みや腫れが出ている場合は患部を刺激しないように優しくみがきましょう。
・うがい薬を使う
歯みがきだけでなく、うがい薬を併用してお口の中の細菌を減らすことも有効です。
ただ、歯ぐきの腫れや痛みなどの強い炎症がある時は、アルコール成分がたくさん入った刺激が強いものは避けましょう。
市販のものだとイソジンやコンクールがお勧めです。
・身体を休める
ストレスや疲れが溜まっている時に智歯周囲炎の症状が強く出る方も多くいらっしゃいます。
身体がSOSを出していると思ってなるべく身体を休めることが大切です。
お薬を処方された場合はお薬もきちんと飲むようにして下さい。
この他に、対処法とは少し違いますが、智歯周囲炎を繰り返しているけど親知らずを抜きたくないという場合で、尚かつ親知らずの周りに歯ぐきが被さっていることが智歯周囲炎の要因になっている場合は、親知らずの周りの歯ぐきを切除するという方法もあります。
歯肉弁(しにくべん)切除術
ただこの方法も麻酔が必要ですので、施術は智歯周囲炎の炎症が落ち着いてから行います。
また歯肉弁の切除後、数日間は疼痛や傷がしみるなどの症状が出ます。
この施術を希望される方は実はそう多くないのですが、智歯周囲炎の予防としてできることの選択肢の一つとしてご紹介しました。
今日はだいぶ内容が長くなってしまいました。
最近インフルエンザや風邪が流行っているようなので皆さま体調管理にお気を付け下さい。