歯の神経ってどんなもの?
こんにちは。院長の石山です。
「むし歯で歯の神経が痛い」「重度のむし歯によって歯の神経を取った」といった経験をお持ちの方もいると思いますが、歯の神経とはどんなものかご存知ですか?
歯科治療における歯の神経とは、図のように歯の内部にある、象牙質に囲まれた歯髄(しずい)と呼ばれる組織のことを指します。
歯髄は、あごの骨の中から枝分かれしてきた神経組織や毛細血管、免疫に関係する細胞やコラーゲン繊維などで構成されており、毛細血管が通っているため、赤い色をしています。
歯髄には、歯への酸素や栄養の供給、歯に加わる外的刺激の感知、免疫機能、むし歯菌などから歯を守るための第2象牙質の形成などの役割があります。
このように、歯髄には多くの役割があるため、むし歯などで歯髄を除去することによるデメリットももちろんあります。
・歯に栄養が供給されなくなるため、歯が脆くなり破折しやすくなる
・歯髄がないとむし歯などによる痛みを感じにくくなるため、歯の異常に気付かず、治療が遅れてしまうことがある
・歯の内部で栄養や酸素が代謝されなくなるため、歯がグレーっぽく変色する
・細菌感染しやすくなり、歯の根っこの部分に膿みが溜まるなどの病巣ができやすくなる
このようなデメリットがあるとはいえ、むし歯が進行して歯髄に達してしまった場合は、歯髄を取り除く処置が必要です。
でも、そこまで重症化する前に、歯に違和感を感じたら歯科を受診し適切な治療を受けておきましょう。