ホワイトニング
歯のホワイトニングってどんなもの?
歯のホワイトニングとは、歯にもともと存在している色素成分を分解し、歯を白くする方法のことです。歯みがきや歯のクリーニングでは取れない、歯の黄ばみや黒ずみも白くすることができます。歯そのものが持つ色素成分を分解・脱色するため、被せものや詰めものをしている歯は対象外となります。
ホワイトニングのメカニズム
色素の分解・脱色
歯のホワイトニングには、過酸化水素や過酸化尿素などの薬剤を使用します。これらの薬剤が化学反応により分解される過程で発生した酸素が、エナメル質の中の有機物と結びつき、色素を分解します。
マスキング効果
エナメル質の中の色素を分解しても、エナメル質は半透明な色調で光を透過させるため、エナメル質の内側にある黄褐色の象牙質が透けて見え、歯は十分に白く見えません。 ホワイトニング剤の作用は歯の色素を分解するだけでなく、エナメル質表面の構造を角状から球状に変化させています。そうすることで、歯の表面の光の屈折率が変化し、光が乱反射するため、象牙質の色が透けて見えにくくなります。これをマスキング効果と言います。
ホームホワイトニング法
当院では、ホームホワイトニング法によるホワイトニングを行っております。ホームホワイトニング法は、専用の薬剤と、患者さん個人に合わせて作った専用のマウスピースを使って、自宅で患者さんご自身に行っていただくものです。歯型を取ってホワイトニング専用のマウスピースを作り、後日、マウスピースをお渡しする際に、使用方法などの説明を受けていただくため、2回の来院が必要です。また、ご自宅では、1日2時間のトレー装着を、2週間程度続けていただきます。
使用する薬剤
ホームホワイトニング法では、10%過酸化尿素ジェルを使用します。過酸化尿素は、もともと歯肉炎や歯周病の治療薬として研究されていたもので、安全性が高いと言われています。また、過酸化尿素は、化学反応により過酸化水素と水に分解されるため、歯に対する漂白作用は、過酸化水素を使用するオフィスホワイトニングなどと同じです。
- ホワイトニング効果が後戻りしにくい
- 透明感のある白さが出やすい
- ホワイトニング効果の後戻りが気になるとき、薬剤を購入すれば、再び自宅でホワイトニングができる
- 患者さん自身の手間がかかる
- ホワイトニング効果の出方が緩やか
対象となる歯ならない歯
ホームホワイトニング法によるホワイトニング効果が期待できるのは、歯の神経が生きている天然歯のみです。ですので、以下のような歯は対象外となります。
- 神経を取った、または神経が死んでいる歯
- 被せものを装着している歯
- 詰めものの部分
- エナメル質形成不全の歯
- 知覚過敏症の歯
- むし歯や歯周病に罹患している歯
ホワイトニングの注意点
ホワイトニング効果の出方には個人差がある
もともとの歯の厚みや、色素の量、患者さんが希望される白さの程度はそれぞれ違います。そのため、漂白効果の出方や感じ方には個人差があり、希望される白さを得られない場合もあります。
一時的に知覚過敏が生じることがある
ホワイトニングで使用する薬剤などの刺激で、一時的に歯がしみたり、疼痛を感じたりすることがあります。徐々に治まることがほどんどですが、もともと知覚過敏の症状がある方や、刺激を感じやすい方にはホワイトニングをお勧めしておりません。
漂白効果は後戻りする
ホワイトニングの効果はずっと続くわけではなく、徐々に後戻りします。6ヶ月~1年を目安に、定期的に再施術を行うことで、白さを保つことができます。
ホワイトニングの対象外となる方
以下のような方はホワイトニングの対象外となります。
- 知覚過敏症の方
- 18歳以下の方
- 妊娠中または授乳中の方
- 無カタラーゼ症の方