歯周病と全身疾患~糖尿病~
こんにちは^^石山歯科クリニックです。
歯周病はお口の病気。もちろんそうなのですが、全身のさまざまな疾患とも深い関係があるということをご存知でしょうか。
特に、歯周病と糖尿病は密接に関連しており、相互に影響を及ぼすことが明らかになっています。
歯周病が進行している人は糖尿病の治療が困難になりやすく、糖尿病を持つ人は歯周病になりやすく重症化しやすいと言われています。
また、歯周病の治療を行うことで、血糖値が改善することも数多く報告されています。
・糖尿病ってどんな病気?
糖尿病はインスリンがうまく働かないために、血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。
インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンで、食後に血糖の濃度(血糖値)が上がり過ぎないようにブドウ糖の量を調節したり、ブドウ糖をエネルギーに変えるなどの働きをしています。
ところが、インスリンが不足したり働きが悪くなると、体の細胞にうまくブドウ糖を取り入れることができなくなり、エネルギーが筋肉や内臓に届かなくなってしまいます。
また、血糖値が高い状態を放置しておくと、血管が脆くなり、将来的に心臓病や脳卒中、腎不全、失明などの重い病気につながります。
・糖尿病が歯周病に与える影響
糖尿病を持つ人は、歯周病になりやすいことが分かっています。
これには、糖尿病による免疫力の低下や、だ液の分泌量の低下、血管が脆くなるため傷の治りが悪いこと、血液の循環が悪いことなど、さまざまな理由が関係しています。
そのため、糖尿病を持つ人は糖尿病を持たない人に比べて、2倍以上歯周病になりやすいと言われています。
・歯周病が糖尿病に与える影響
出血や排膿などの炎症がある歯周ポケット内では、炎症に関連したTNF-αという物質が作られ、血管を通して体内に放出されています。
歯周ポケットから放出され血流にのったTNF-αは、体内で血糖値を下げる役割をしているインスリンの働きを悪くします。
そのため、歯周病を持つ人は、糖尿病が発症・進行しやすくなります。
・歯周病治療で血糖値が下がる
歯周病の治療をすると、血糖値が改善するということも分かってきています。
歯周病の治療とは、患者さん自身の歯みがきによるプラークコントロールと、歯科医院での歯石や歯垢の除去によって炎症の原因を取り除くことです。
中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、そのポケットの表面積は、手のひらと同程度の大きさになります。
手のひらサイズの出血や排膿がある状態を治療しないで、放置されていると考えると、体全体からも無視できないということが想像できると思います。
実際に、歯肉の炎症を抑えることでインスリン抵抗性が改善し、血糖値が改善することが数多く報告されています。
今日は歯周病と糖尿病の関係についてお話ししました。
今回の内容からも分かるように、お口の健康は体の健康にもつながっていますので、お口の健康から全身の健康を目指しましょう^^