被せもの

 

重度のむし歯によって、歯の大部分を失った場合や、神経の治療を行った場合は、歯の土台となる部分を作った後、被せもの(クラウン)を装着して、歯の機能を回復させます。

 

被せもの(クラウン)の種類

 

被せもの(クラウン)に使われる歯科用素材は、主に金属、プラスチック、セラミックの3つですが、今はプラスチックとセラミックを掛け合わせた素材などもあります。
どのような素材でできているかによって、長所と短所が違います。

 

前歯の被せもの

 

種類 HRFクラウン

CAD/CAMクラウン

ハイブリッドクラウン

素材 金属+レジン(プラスチック) レジン(プラスチック)

金属にハイブリッドレジン
(プラスチック+陶材)を焼きつけたもの

保険 適用 適用 (条件あり) 適用外
長所
  1.  表面は見た目が自然
  2. 内面は金属なので適合性が高い(歯にフィットしやすい)
  3. かみ合わせの部分は金属で強度が高い(かみ合わせの力が強くかかる部分にも使える)
  4. 保険が適用される場合は安価
  1. 保険が適用される(条件あり)
  2. 見た目が自然
  3. 金属アレルギーの心配がない
  4. 適度に柔らかいため、かみ合わせの歯に負担がかかりにくい
  1. 見た目が自然
  2. 内面は金属なので適合性が高い(歯にフィットしやすい)
  3. 適度に柔らかいため、かみ合わせの歯に負担がかかりにくい
短所
  1. プラスチック部分は徐々に劣化して黄ばむ
  2. プラスチック部分は汚れがつきやすい
  3. 金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  4. 素材が硬いため、かみ合わせの歯にやや負担がかかる
  5. 保険が適用されない場合は高価
  1. 金属やセラミックに比べて適合性が低い
  2. 徐々に劣化して黄ばむ
  3. 金属やセラミックに比べて汚れがつきやすい
  4. 強度が低い(かみ合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  5. 強度を持たせるために厚みが必要なため、金属に比べて歯を削る量が若干増える
  1. プラスチック部分は徐々に劣化して黄ばむ
  2. プラスチック部分は汚れがつきやすい
  3. 強度が低い(かみ合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  4. 金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  5. 強度を持たせるために厚みが必要なため、金属に比べて歯を削る量が若干増える
  6. 保険が適用されない
種類 メタルボンド

オールセラミック

ジルコニアクラウン

素材 金属にセラミック(陶材)
を焼きつけたもの
セラミック(陶材) 強度の高いセラミック
(二酸化ジルコニウム)
保険 適用外 適用外 適用外
長所
  1. 見た目が自然
  2. 内面は金属なので適合性が高い(歯にフィットしやすい)
  3. だ液にさらされても劣化しにくい
  4. 汚れが付きにくい
  1. 最も見た目が自然(最も歯の色調に近い)
  2. だ液にさらされても劣化しにくい
  3. 汚れが付きにくい
  4. 金属アレルギーの心配がない
  1. 見た目が自然(セラミックよりは見た目が劣る)
  2. だ液にさらされても劣化しにくい
  3. 汚れがつきにくい
  4. 金属アレルギーの心配がない
  5. 強度が高い(噛み合わせの力が強くかかる部分にも使える)
短所
  1. 強い衝撃により割れる可能性がある(噛み合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  2. 強度を持たせるために厚みが必要なため、歯を削る量が若干増える
  3. 金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  4. 素材が硬いためかみ合わせの歯にやや負担がかかる
  5. 保険が適用されない
  1. 強い衝撃により割れる可能性がある
    (噛み合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  2. 強度を持たせるために厚みが必要なため、歯を削る量が若干増える
  3. 素材が硬いためかみ合わせの歯にやや負担がかかる
  4. 金属に比べると適合性がやや低い
  5. 保険が適用されない
  1. 強度を持たせるために厚みが必要なため、歯を削る量が若干増える
  2. 素材が非常に硬いためかみ合わせの歯に負担がかかる
  3. 金属に比べると適合性がやや低い
  4. 保険が適用されない

 

奥歯の被せもの

 

種類 フルメタルクラウン

CAD/CAMクラウン

HRFクラウン

素材 金銀バラジウム合金 レジン(プラスチック) 金属にレジン(プラスチック)
を焼きつけたもの
保険 適用 適用 (条件あり) 小臼歯は適用、大臼歯は適用外
長所
  1. 保険が適用される
  2. 適合性が高い(歯にフィットする)
  3. 汚れがつきにくい
  4. 強度が高い(かみ合わせの力が強くかかる部分にも使える)
  1. 保険が適用される(条件あり)
  2. 見た目が自然
  3. 金属アレルギーの心配がない
  4. 適度に柔らかいため、かみ合わせの歯に負担がかかりにくい
  1. 表側は白い素材でカバーされている
  2. 内面は金属なので適合性が高い
  3. かみ合わせの面は金属で強度が高い(かみ合わせの力が強くかかる部分にも使える)
  4. 保険が適用される場合は安価
短所
  1. 金属色で目立つ
  2. 徐々に劣化して黒ずむ
  3. 金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  4. 素材が硬いため、かみ合わせの歯にやや負担がかかる
  1. 金属やセラミックに比べて適合性が低い
  2. 徐々に劣化して黄ばむ
  3. 金属やセラミックに比べて汚れがつきやすい
  4. 強度が低い(かみ合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  5. 強度を持たせるために厚みが必要なため、金属に比べて歯を削る量が若干増える
  1. プラスチック部分は徐々に劣化して黄ばむ
  2. プラスチック部分はやや汚れがつきやすい
  3. 内面の金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  4. かみ合わせの面は金属で硬いため、かみ合わせの歯にやや負担がかかる
  5. 保険が適用されない場合は高価
種類 ハイブリッドクラウン

メタルボンド

ゴールドクラウン

素材 金属にハイブリッドレジン
(プラスチック+陶材)を焼きつけたもの
金属にセラミック(陶材)
を焼きつけたもの
金合金
保険 適用外 適用外 適用外
長所
  1. 見た目が自然
  2. 内面は金属なので適合性が高い(歯にフィットしやすい)
  3. 適度に柔らかいため、かみ合わせの歯に負担がかかりにくい
  1. 見た目が自然
  2. 内面は金属なので適合性が高い(歯にフィットしやすい)
  3. だ液にさらされても劣化しにくい
  4. 汚れがつきにくい
  1. 最も適合性が高い(歯にぴったりとフィットする)
  2. 汚れが付きにくい
  3. 強度が高い(かみ合わせの力がかかる部分にも使える)
  4. だ液にさらされても劣化しにくい
  5. 金属アレルギーを起こしにくい
  6. 適度にしなやかさがあるため、噛み合わせの歯に負担がかかりにくい
短所
  1. 徐々に劣化して黒ずむ
  2. 金属やセラミックに比べて汚れがつきやすい
  3. 強度が低い(かみ合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  4. 内面の金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  5. 強度を持たせるために厚みが必要なため、歯を削る量が若干増える
  6. 保険が適用されない
  1. 衝撃により割れる可能性がある(かみ合わせの力が強くかかる部分には使えない)
  2. 強度を持たせるために厚みが必要なため、金属に比べて歯を削る量が若干増える
  3. 内面の金属が微量ずつ溶け出し、金属アレルギーや歯ぐきの黒ずみの原因となる
  4. 素材が硬いため、かみ合わせの歯にやや負担がかかる
  5. 保険が適用されない
  1. 金属色で目立つ
  2. 保険が適用されない
種類 オールセラミック

ジルコニアクラウン

素材 セラミック(陶材) 強度の高いセラミック(二酸化ジルコニウム)
保険 適用外 適用外
長所
  1. 見た目が自然(最も歯の色調に近い)
  2. だ液にさらされても劣化しにくい
  3. 汚れが付きにくい
  4. 金属アレルギーの心配がない
  1. 見た目が自然(セラミックよりは見た目が劣る)
  2. だ液にさらされても劣化しにくい
  3. 汚れがつきにくい
  4. 金属アレルギーの心配がない
  5. 強度が高い(噛み合わせの力が強くかかる部分にも使える)

短所

  1. 強い衝撃により割れる可能性がある(噛み合わせの力が強くかかる部分に使えない)
  2. 強度を持たせるために厚みが必要なため、歯を削る量が若干増える
  3. 素材が硬いためかみ合わせの歯にやや負担がかかる
  4. 金属に比べると適合性がやや低い
  5. 保険が適用されない
  1. 強度を持たせるために厚みが必要なため、歯を削る量が若干増える
  2. 素材が非常に硬いためかみ合わせの歯に負担がかかる
  3. 金属に比べると適合性がやや低い
  4. 保険が適用されない